2025年Jプロツアー第10戦
JBCF第59回経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ
JBCF第14回女子チャンピオンシップ/第14回ユースチャンピオンシップ/第10回南魚沼ロードレース
日付 2025年9月15日
開催地・コース 新潟県南魚沼市 三国川ダム周回コース(1周12km)
距離:144km(JPT)、72km(F)、96km(E1/E2)、36km(E3)、36km(M)、60km(Y1)

■Jプロツアー(JPT)
Jプロツアー第10戦は新潟県南魚沼市での「南魚沼ロードレース」。2014年に初開催され、災害やコロナ禍による中止を挟みながらも今年10回目の開催を迎えた。
2021年以降は「経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ」として毎年開催されており、Jプロツアーのレースレーティングが最も高い「プラチナ」に指定される大会として定着しつつある。
経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップは、ポイント配分が高いだけでなく、Jプロツアーで唯一団体成績が争われるレースでもあり、優勝チームには真紅の経済産業大臣旗、通称「輪翔旗」が贈られる。

コースは、南魚沼市東部にある三国川ダムのしゃくなげ湖の湖岸に沿って走る1周12km。スタート直後に8%の勾配標識が立つ登りが約2km続き、カーブと細かなアップダウンが繰り返される湖岸道路を抜け、残り3km地点から約140mの高低差を一気に下る。
完走率の低いサバイバルレースになることも多く、Jプロツアーの中でもハードなコースに分類される。なおこのコースでは、2026年に全日本選手権ロードレースの開催が決定してる。
小雨まじりの中スタートした12周144kmのレースは序盤から動きを見せた。河野翔輝(TEAM BRIDGESTONE Cycling)の単独先行を吸収した直後の4周目、7名の集団が先行する。
メンバーは、山田拓海(シマノレーシング)、織田聖、アグロティス・アレクサンドロス(以上マトリックスパワータグ)、孫崎大樹(ヴィクトワール広島)、谷順成(宇都宮ブリッツェン)、宮崎泰史(KINAN Racing Team)、島野翔太(イナーメ信濃山形)。

後続集団との差は5周目に2分20秒、7周目には3分差まで広がる。先頭集団にメンバーを送り込めなかったTEAM BRIDGESTONE Cyclingが後続集団の牽引を開始すると、差が徐々に縮まり始める。

先頭集団は8周目に島野、9周目に山田が遅れて5名に減る。一方、追う後続集団は2分差まで縮まったものの、TEAM BRIDGESTONE Cyclingの牽引が無くなると追走の動きがまとまらずアタック合戦の様相を見せ始め、人数が絞られていく。
それでも先頭集団との差は縮まり続け、11周目に先頭集団からアグロティスが遅れて4名になると一気に差が縮まっていく。


最終周回の12周目に入ると、後続集団から抜け出した8名が先行していた4名に追いつく。その直後、宮崎が単独先行して10秒ほどの差をつける。
しかし残り5kmを前に後続が追いつき、そこから林原聖真(群馬グリフィンレーシングチーム)とアコスタ・ルーベン(宇都宮ブリッツェン)が飛び出して先行。勝負はこの2人に絞られた。


残り200m、下りで先行していたアコスタを抜いた林原が先頭で姿を現し、そのままフィニッシュ。
林原は今シーズン2勝目と同時にU23ランキングトップとなり、ネクストリーダージャージを獲得した。


団体成績は、2位アコスタ、4位武山晃輔、5位谷順成と、上位に3名を送り込んだ宇都宮ブリッツェンが優勝。2012年以来13年ぶりに輪翔旗を獲得した。
結果 JPT 144km
1位 林原 聖真(群馬グリフィンレーシングチーム) 3時間41分39秒
2位 アコスタ・ルーベン(宇都宮ブリッツェン) +2秒
3位 孫崎 大樹(ヴィクトワール広島) +7秒
4位 武山 晃輔(宇都宮ブリッツェン) +9秒
5位 谷 順成(宇都宮ブリッツェン) +11秒
6位 ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島) +13秒
中間スプリント賞 孫崎大樹(ヴィクトワール広島)
敢闘賞 宮崎泰史(KINAN Racing Team)
Jプロツアーリーダー 金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)
U23リーダー 林原聖真(群馬グリフィンレーシングチーム)
団体成績
1位 宇都宮ブリッツェン 11p
2位 ヴィクトワール広島 19p
3位 キナンレーシングチーム 33p
4位 群馬グリフィンレーシングチーム 51p
5位 マトリックスパワータグ 51p
6位 レバンテフジ静岡 78p









■Jフェミニンツアー(JFT)
女子チャンピオンシップとして行われたJフェミニンツアーのレースは6周72km。

今シーズン初出場の木下 友梨菜(Bellmare Racing Team)が序盤からレースを主導。3周目に入ると登り区間で全員を振り切って単独先行を開始する。

4周目にはフェミニンリーダージャージを着る阿部花梨(イナーメ信濃山形-F)が追いつく場面もあったものの、その後再び木下が単独先行。終わってみれば2位以下に3分42秒もの大差をつけ、南魚沼大会3連覇を達成した。

結果 JFT 72km
1位 木下 友梨菜(Bellmare Racing Team) 2時間11分34秒
2位 阿部 花梨(イナーメ信濃山形-F) +3分42秒
3位 竹内 清子(VELONUTS RACING TEAM) +5分3秒
Jフェミニンツアーリーダー 阿部 花梨(イナーメ信濃山形-F)
■Jエリートツアー(JET)
E1とE2の2カテゴリー混走となったレースは8周96km。序盤から横塚浩平、木村純気(以上VC FUKUOKA)、川勝敦嗣(MiNERVA-asahi)の3名が先行。


5周目に入るとエリートリーダージャージを着る大前翔(Roppongi Express)、U19リーダージャージを着る新藤大翔(EQADS)ら3名が追いついて6名となる。

6周目に入った直後に後続集団が吸収するも、再び大前、新藤、川勝、木村、阿部源(VC FUKUOKA)ら5名が先行する。5名は最後まで逃げ切り、大前がスプリント勝負を制して今シーズン5勝目を挙げた。



結果 E1/E2 96km
1位 大前 翔(Roppongi Express) 2時間30分27秒
2位 阿部 源(VC FUKUOKA) +0秒
3位 木村 純気(VC FUKUOKA) +1秒
4位 川勝 敦嗣(MiNERVA-asahi) +6秒
5位 新藤 大翔(EQADS) +9秒
6位 本多 晴飛(VC FUKUOKA) +49秒
中間スプリント賞 木村 純気(VC FUKUOKA)
Jエリートツアーリーダー 大前 翔(Roppongi Express)
U19リーダー 新藤 大翔(EQADS)
■Jマスターズツアー(JMT)
3周36kmで行われたJマスターズツアーのレースは、1周目から単独先行した深谷侑司(MiNERVA-asahi)が最後まで逃げ切り優勝。2位に大島和也が入り、 MiNERVA-asahiが1-2フィニッシュを達成した。



JMT 結果 36km
1位 深谷 侑司(MiNERVA-asahi) 1時間0分36秒
2位 大島 和也(MiNERVA-asahi) +1分54秒
3位 遠藤 優(Roppongi Express) +2分2秒
4位 山本 敦(SBC Vertex Racing Team) +2分5秒
5位 丸渕 聖悟(FAST LANE Racing) +2分8秒
6位 大塚 尭(COWGUNMMA) +2分9秒
Jマスターズツアーリーダー 遠藤 優(Roppongi Express)
■弱虫ペダルPresentsJユースツアー(Y1/U17)
ユースチャンピオンシップとして行われたY1カテゴリーのレースは5周60km。


周回の進行と共に人数が絞られていく展開となり、3周目までに残ったのは6名。
最終周回の5周目、柬理日楠詩(Team FITTE)が単独先行するも、天羽隼翔(北海道帯広南商業高等学校)、松下泰平(mkw)、日下部惺(TeamZenko)ら3名が残り半周で追いつく。


最後は4名でのスプリント勝負を天羽が制して優勝。3位の日下部が新たにJユースツアーリーダーとなった。

Y1 結果 60km
1位 天羽 隼翔(北海道帯広南商業高等学校) 1時間42分5秒
2位 松下 泰平(mkw) +1秒
3位 日下部 惺(TeamZenko) +1秒
4位 柬理 日楠詩(Team FITTE) +24秒
5位 前嶋 一吹(LeapHamamatsuCyclingTeam) +2分16秒
6位 吉田 直人(LEVANTE HOPE) +4分34秒
Jユースツアーリーダー 日下部 惺(TeamZenko)
文/写真 JBCF 一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟