2023年Jプロツアー第13戦
第57回JBCF経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ
兼 第12回JBCF女子チャンピオンシップ
兼第8回JBCF南魚沼ロードレース
日付 2023年9月18日
開催地・コース 新潟県南魚沼市 三国川ダム周回コース(1周12km/左回り)
距離(カテゴリー):144km(JPT)、60km(F)、84km(E1)、48km(E2/E3)、48km(Y1)、48km(M)
■Jプロツアー(JPT)
Jプロツアー第13戦「南魚沼ロードレース」は、Jプロツアーのレースの中で最もステータスの高い「経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ」としての開催。
レイティングは最高位の「プラチナ」に指定されて高配点のポイントが与えられることから、年間ランキングを争う上で各チーム・選手が重視する大会である。
また、Jプロツアーで唯一チーム対抗の団体戦が争われるレースでもあり、優勝チームには真紅の経済産業大臣旗、通称「輪翔旗」が与えられる。
コースは南魚沼市東部にある三国川ダムに設定された1周12km。スタート地点から約2km続く登りを経て、カーブと細かなアップダウンが連続するダム湖沿岸を駆け抜け、残り3kmからは高低差約200mを一気に下るレイアウト。サバイバルレースになることも多いが、カーブが連続する区間が長いことから集団が有利とは言えず、先行する集団との差が広がりやすく縮みにくいコースでもある。
レース中の事故で亡くなった五十嵐洸太選手(弱虫ペダルサイクリングチームに所属)に黙祷を捧げたのち、12周144kmのレースがスタート。
2周に渡るアタック合戦ののち、6名の集団が先行する。メンバーは、フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)、草場啓吾、石上優大(以上愛三工業レーシングチーム)、風間翔眞(シマノレーシング)、孫崎大樹(KINAN Racing Team)、留目夕陽(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム、オープン参加)。
メイン集団との差は、4周目完了時に1分50秒、5周目完了時には3分50秒まで開く。
数的不利を嫌ってか、7周目に入るとKINAN Racing Teamがメイン集団を牽引し、4分以上まで開いた差を一気に2分まで縮める。さらに8周目を終えるまでに1分10秒まで縮め、9周目終盤には先行する6名を視界に捉える距離まで詰める。
後方に迫るメイン集団がハッキリと見え始めた10周目、先頭集団からマンセボ、石上、孫崎の3名が先行。
この動きをきっかけに、メイン集団との差は再び1分40秒まで開く。その後は差が縮まることはなく、勝負は先行した3名に絞られた。
最終周回に入るとマンセボがアタック。石上が遅れ、孫崎もついて行けない。
残り約10kmを単独で逃げ切ったマンセボは、2019年以来3度目となる南魚沼ロードレース優勝を決めた。
2位には、終盤にメイン集団から抜け出したホセ・ビセンテ・トリビオが入り、マトリックスパワータグがワン・ツーフィニッシュ。
2020年以来3年ぶりの団体優勝と輪翔旗を獲得した。
結果 JPT 144km
1位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) 3時間38分22秒
2位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) +56秒
3位 孫崎大樹(KINAN Racing Team) +1分18秒
4位 金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム) +1分20秒
5位 中井唯晶(シマノレーシング) +1分20秒
6位 ライアン・カバナ(KINAN Racing Team) +1分21秒
敢闘賞 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)
中間スプリント賞 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)
団体戦結果
1位 マトリックスパワータグ 14p
2位 キナンレーシングチーム 19p
3位 シマノレーシング 29p
Jプロツアーリーダー 中井唯晶(シマノレーシング)
U23リーダー 津田悠義(KINAN Racing Team)
■Jフェミニンツアー(JFT)
女子チャンピオンシップとして行われたJフェミニンツアーのレースは5周60km。
3周目、今年のMt.富士ヒルクライムで女子の大会新記録を出した木下友梨菜(Bellmare Racing Team)、大堀博美(MOPS)、石井嘉子(アーティファクトレーシングチーム)の3名が先行し、後続との差を広げていく。
最終周回残り3kmからの下りで、木下が先行。大堀、石井との差を広げてフィニッシュまで逃げ切り、ロードレース初優勝を挙げた。
Jフェミニンツアーリーダーは、2位の大堀に移った。
結果 JFT 60km
1位 木下友梨菜(Bellmare Racing Team) 1時間45分44秒
2位 大堀博美(MOPS) +7秒
3位 石井嘉子(アーティファクトレーシングチーム) +12秒
Jフェミニンリーダー 大堀博美(MOPS)
■Jエリートツアー(JET)
7周84kmで行われたJエリートツアーE1のレースは、序盤に7名の先頭集団が形成され、30秒前後差で周回を重ねる。
残り2周となる6周目、先頭集団の中から前田凌輔(ORCA CYCLING TEAM)が単独先行して最終周回へ。
メイン集団はリーダージャージの高岡亮寛(Roppongi Express)を先頭に追走するものの、前田が最後まで逃げ切って優勝した。
結果 JET/E1 84km
1位 前田凌輔(ORCA CYCLING TEAM) 2時間11分28秒
2位 中島 渉(MiNERVA-asahi) +1秒
3位 初川弘浩(ORCA CYCLING TEAM) +2秒
4位 押見 怜(イナーメ信濃山形-EFT) +2秒
5位 石橋利晃(湾岸サイクリング・ユナイテッド)+3秒
6位 高岡亮寛(Roppongi Express) +3秒
中間スプリント賞 中島 渉(MiNERVA-asahi)
Jエリートツアーリーダー 高岡亮寛(Roppongi Express)
U19リーダー 島崎将男(北海道帯広南商業高等学校)
■マスターズ(JMT)
4周48kmで行われたマスターズのレースは、序盤から山本敦(SBC Vertex Racing Team)と堀井卓(MiNERVA-asahi)の2名が先行。
マスターズリーダーのサンドゥ・ヨノツ(LT United Cycling Team)らが追走するも、山本と堀井は最後まで逃げ切り、マッチスプリントを制した山本が優勝した。
JMT 結果 48km
1位 山本 敦(SBC Vertex Racing Team) 1時間12分7秒
2位 堀井 卓(MiNERVA-asahi) +1秒
3位 中村将也(MiNERVA-asahi) +1分19秒
4位 サンドゥ・ヨノツ(LT United Cycling Team) +1分36秒
5位 秦 智香(TTG ミトロング-V) +1分44秒
6位 小菅博範(F(t)麒麟山 Racing) +2分24秒
Jマスターズリーダー サンドゥ・ヨノツ(LT United Cycling Team)
■ユース(JYT/Y1)
4周48kmで行われたユースのレースは、1周目終盤にアタックした吉本俊平(VC AVANZARE)に野嵜然新(弱虫ペダル サイクリングチーム)が追従して抜け出す。
2周目に入ると野嵜は吉本を引き離して独走。
ユースリーダージャージを着る平山雷斗(中部大学第一高等学校)らが追走集団を形成するものの、野嵜は1分以上の差を築いて逃げ切り、優勝した。
Y1 結果 48km
1位 野嵜然新(弱虫ペダル サイクリングチーム) 1時間21分11秒
2位 平山雷斗(中部大学第一高等学校) +1分17秒
3位 月見里櫂(佼成学園自転車競技部) +1分18秒
4位 本井大裕(ブラウ・ブリッツェン) +1分19秒
5位 新井優貴(埼玉ユース自転車競技部) +1分54秒
6位 吉本俊平(VC AVANZARE) +2分13秒
Y1リーダー 平山雷斗(中部大学第一高等学校)
文/写真 JBCF 一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟